イタリア 万歳

健康効果や美味しい飲み方、コーヒーの話題は尽きません
グリーン・コーヒー・ダイエットもブーム継続中!
(text & photo by 岩田デノーラ砂和子)

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イタリア人が朝起きて、まずすることは?そう、コーヒーを淹れること。エスプレッソマシーンやイタリア式のコーヒーメーカー「カフェ・モカ」など、淹れ方はそれぞれですが、立ち上るカッフェの香りは、イタリアの朝の香りです。

朝一番の気分を決める大事なコーヒー。仕事の合間のリフレッシュに、食後のホッと一息に。暮らしに密着したものだけに、コーヒーにまつわる話題は尽きません。イタリアでも健康志向の人が増えた先ごろは、その健康効果も話題のトレンドのひとつです。

すでに知られていることも多いと思いますが、イタリアではこんな効果が聞かれます。

●アンチエイジング:抗酸化物質を豊富に含み、フリーラジカルの攻撃を防御するため、シミの防止にもなる。
●ダイエット効果:交感神経を刺激して、脂肪燃焼を助ける。運動の前に飲むと効果的。
●利尿効果:水分排出を促し、むくみやセルライトにも効果的。
●消化促進:胃液の分泌を促し、消化を助ける。
●精神的なパフォーマンスの向上。気分を高揚させてストレス解消に役立つほか、脳をすっきりさせ記憶力・集中力もUP。
●肝臓に良い:肝硬変の発生率を減少。
●心臓に良い:心臓血管疾患の減少。
●2型糖尿病の発生率減少。

などなど。これだけの効用があると言われれば、安心して飲めそう?!ただし、飲み過ぎは貧血や口臭の原因になることも。1日3~4杯が適切と言われています。

(※こちらでご紹介した効果例は、ミラノの薬学研究所「Mario Negri」およびイタリアで発行される新聞・雑誌を参考にしています。立証されているものもあれば、現在検証中のものも含まれます。)

また昨年ごろからは、ダイエット効果があると話題の「カッフェ・ヴェルデ(グリーンコーヒー)」が大ブーム。カッフェ・ヴェルデは、焙煎前の生のコーヒー豆のことで、血液中の糖分の蓄積を抑えたり、グルコース糖の燃焼を促進する効果が期待されるクロロゲン酸を多く含んでいます。この成分を抽出したサプリメントを飲むと、いわゆる「なかったこと」になるとか。サプリメントは、粉末、カプセルなどさまざまなタイプが、薬局やエルボリステリア(ハーブ専門店)などで売られています。

コーヒーを毎日飲んでも、あると言われるダイエット効果を感じない…周囲の女性たちにも愛用者は多く、飲んだ結果、「効果がある!」と口を揃えておりますが、それは本物の効果なのか、はたまた信じる者は救われるのか。ダイエットサプリに一喜一憂するのは、何処も同じ。コーヒーに絶大な愛情を注ぐ人が多いイタリアでは、たとえ生豆とはいえコーヒー由来の「カッフェ・ヴェルデ・ダイエット」。このブームは、なかなか去らないかもしれません。

効果云々はさておいて、いずれにしても毎日欠かせないコーヒー。何はともあれ美味しいことが必須です。先日、イタリアの大手新聞に、「コーヒーがまずくなる5つの理由」なる記事が掲載されました。

1.コーヒーの粉は、周囲の香りを吸収しやすいもの。匂いの強いものがそばにある。
2.乾燥した場所で保管していない。正しく保管しているにも関わらず、もし苦く感じるなら、焙煎しすぎの豆。買い変えるべき。
3.石灰質が多い水で淹れている。濾過するかミネラルウォーターを使用すること。
4.器具を洗剤で洗っている。ぬるま湯で洗い、完全に乾燥させて。使用30回毎に分解して、フィルターの目のつまりなどをチェック。
5.慌てて淹れている。粉を丁寧にフィルターに盛り、押し込まない。

慌てて淹れるとまずくなるらしい…(笑)。ときにコーヒーを淹れる所作は、まるで神聖な儀式のようでもあります。1杯入魂。どうぞご参考に、美味しいコーヒーを毎日の暮らしにお役立て(?)下さい!

ワンポイントイタリア語講座

デーヴォ・メッテルミ・ア・ディエタ!
意味:ダイエットしなくちゃ!

こういえば、返答の決まり文句は、「Che dici!Non ne hai bisogno! ケ・ディーチ!ノ・ネ・アイ・ビソーニョ!何言ってるの!必要ないじゃない!」決して、「E’ vero. エ・ヴェーロ. 本当ね。」とは言わないもの。ダイエットに関しては…社交辞令も何処も同じです。