イタリア 万歳

夏の夏にこってり料理はツライ!
ひんやり爽やかな夏のレシピをご紹介
(text & photo by 岩田砂和子)

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とっても暑くなるイタリアの夏。気温30度越えは当たり前、ギラギラ輝く地中海の太陽で、体感温度は40度近くにもなります。そんな夏の間はずっと海でバカンスを…と、いきたいものですが、さすがのイタリア人もそう休んでばかりはいられません(笑)。暑くなり始める今頃、暑さにまだ身体が慣れていない初夏は、余計に暑さを感じがち。ここで無理をすれば、夏バテコースまっしぐら。できるだけ「無理しない」のが、暑い夏を乗り切るコツです。

無理しないとは、暑くて食欲がないからお肉を食べて元気を出そう。とか、熱いお風呂に入ってさっぱりしよう。といったちょっとつらそうなことをしないこと。食欲がなくても頑張ってお肉を食べて消化すれば、明日はパワーが出るかもしれないし、熱いお風呂に我慢をして入れば、入浴後のビールは最高に美味しいかもしれない。でも、後々の何かいいことのために、今、頑張ったり我慢するのはツライ!とても刹那的ですが、人生は短い。夏バテ防止には、ウナギよりも無理しないのがイタリア流です。というのも、イタリアでは冷房をしているところはほとんどなく、むやみやたらな冷房で身体が芯まで冷える…ということがないからなのですが。

そんなわけで、食卓には涼しげな料理が並ぶイタリアの夏。アツアツの料理や肉料理は食べるだけで暑くなるし、作るのも暑い。キッチンで汗だくになるのは、やっぱりイヤ。できるだけ火を使わないお料理で、作る人も無理しないのが一番です。イタリアの主食であるパスタやお米も、夏の間は冷製が頻繁に登場します。火を使うのは、パスタやお米を茹でるときだけ…。今回は、お家で簡単に作れるイタリア流冷製パスタとお米料理を2品、ご紹介しましょう!

【Pasta fredda con zucchine crude】
~生のズッキーニの冷たいパスタ~
冷たいパスタは、トマトやバジリコを使ったものが日本でもよく知られているかもしれませんので、ちょっと変わり種の「生の」ズッキーニを使ったパスタです。

材料:生ズッキーニ 1本を2、3ミリの厚さに薄くスライス
   ツナの缶詰、黒オリーブ、グリンピース
   オリーブオイル、塩・黒胡椒、
   パスタ(ファルファッラなど短いタイプ)
分量:すべてお好み

作り方:
1.パスタをゆではじめる。
2.薄くスライスしたズッキーニ、グリンピース、
  ツナの缶詰、黒オリーブを混ぜる
3.2.に茹で上がったパスタ、塩・黒胡椒、
  オリーブオイルを加えて混ぜる。
  ここでよく混ぜ合わせること。良質のオリーブオイルを
  たっぷり使うことが美味しく仕上げるコツです。
4.3.を冷蔵庫で軽く冷やして出来上がり! とっても簡単です。

【insalata di riso】
お米やリゾットで食べるだけでなく、
夏の間はサラダにしていただきます。

材料:オリーブ、コーンの缶詰、ツナの缶詰他、
   ニンジン、玉ねぎ、ズッキーニなどなど、
   冷蔵庫のあまり野菜なんでもOK
   オリーブオイル、ワインビネガー、塩・黒胡椒、お米
分量:すべてお好み

作り方:
1.お米をアルデンテより少しだけやわらかめに茹でる。
2.具材を混ぜ合わせる。野菜は1㎝角程度のキューブ型に切る。
3.1.のお米が茹で上がったら、ザルに上げて流水をかけて冷やす。
4.3.のお米が冷えたら、水気を切って2.と混ぜ合わせる。
5.オリーブオイル、ワインビネガー・塩・コショウで味つけをし、冷蔵庫で軽く冷やして、出来上がり!

お米は炊かずに茹でるのがポイント。パラパラとしたサラダ仕立てに仕上げます。具材に決まりはありませんし、味つけも各家庭で違うもの。酸味が嫌いなら、ワインビネガーを少なめにしたり、子供用にコショウを抜きにしたり、アイデア次第の冷蔵庫片づけレシピでもあります。ちなみに、イタリアには、瓶詰の「インサラータ・ディ・リーゾの具」も売っています。暑い夏は、インスタント食品もあり?な無理しないイタリアです。

冷房を使わず、夏野菜で身体を冷ます。とてもエコです。ぜひ冷房を切って、お家で試してみてくださいね。冷やしたロゼや白ワインがピッタリです。

ワンポイントイタリア語講座

意味: あんまり無理しないで

Sforzarsi(原形)は「自身の力を振り絞る」の意味で、否定形にすれば「あなたの力を振り絞らないで」の意味になり、「無理しないで」となります。ちなみに「頑張って」は「Forza (フォルツァ)!」です。「きっとできるよ!」なら「Ce la farai(チェ・ラ・ファライ)!」一応、イタリアにも頑張れ系応援の言葉もあります。