イタリア 万歳

  
エスプレッソコーヒーは熱々で飲むだけにあらず?!
夏は凍らせてフローズンスタイルでひ~んやり
イタリア版かき氷「グラニータ・ディ・カフェ」
南イタリアでは夏の朝食の定番です!
(text & photo by 岩田デノーラ砂和子)

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イタリアの美味しいアイスクリーム、イタリアン・ジェラートは、昨今日本でも知名度を上げていますよね。ジェラートの本場は、南イタリア・シチリア島で、9世紀頃にこの島を支配していたアラブ人がエトナ山(島にそびえる富士山級の活火山)の万年雪を使って食べたのが、始まり…などなど諸説ありますが、要するに冷たい雪に味付けして食べたのが最初です。

時代が進んで17世紀頃には、現在食べられるような  クリーム状のジェラートの姿に発展しましたが、一方、シャリシャリの雪に味付けしたかき氷のような、素朴なスタイルも残されました。それが、イタリア版かき氷「グラニータ」。

グラニータは、イタリア語で「粒状にする」の意味の「granire(グラニーレ)」が語源で、「粒々にした」の意味があり、ソルベやシャーベットより、ザラザラした粒の感じが残った粗い氷粒が特徴です。

ジェラートと肩を並べる夏の定番デザートとして、イタリア全土で食べられますが、やはり一番美味しいのは、本場シチリア。アーモンドやピスタキオ、オレンジやレモンといった特産素材を使ったフレーバーをはじめ、エスプレッソやミントなど、バリエーションに富んだグラニータが楽しめます。

イタリアン・エスプレッソをベースにした「グラニータ・ディ・カッフェ(カッフェ=イタリアン・エスプレッソ)」は、なんと朝食にも登場!イタリアの朝食は、カッフェとコルネット(イタリア風甘いクロワッサン)と決まっていますが、早朝から地中海の陽光きらめく真夏のシチリアでは、熱々のカッフェの替りに、甘くて冷たいグラニータ・ディ・カッフェなのです。

「イタリア版かき氷」と呼ばれるグラニータ。前出でもそう表現してますが…実は、氷をかいて作りません(夏のローマ名物の「グラッタ・ケッカ」がホントはイタリア版かき氷です)。作り方は、シャーベットとほとんど同じで、フリーザーで「固めつつ砕く」を繰り返します。

本場流グラニータ・ディ・カッフェの作り方

1. カッフェを作る
2. 1.にお砂糖を加え(エスプレッソカップ1杯分につき小さじ山盛り程度)、冷凍庫で凍らせる
3. 同時に別のカッフェを作り、お砂糖を加えて冷蔵庫で冷やしておく
4. 2.が固まってきたら、3.を加えながらサクサク砕く
5. 4を数時間おきに2~3回繰り返す
6. 出来上がり!

これは、某お店で教わったレシピですが、ちょっと手間がかかりそうではあります。私同様面倒くさがりの方には、我が家が実践している簡単グラニータをおススメします。

我が家流グラニータ・ディ・カッフェの作り方

1. カッフェ(薄め&多め)を作る
2. 1.にお砂糖をたっぷり加え、蓋付きのガラス瓶に入れる
3. 2.を冷蔵庫に入れて凍らせる
4. 8割程凍ったところで取り出して、激しく振る(笑)!
5. 出来上がり!

やや邪道ともいえる作り方ですが、手間がかからず、いい感じにシャリシャリ状になります。夜作っておいて、起きたらフリーザーから取り出して、支度をしながらやや溶けたら振る!でもOKです(邪道度がより増しますが…)。ミルクをやや加えても美味しいですよ。

日本でも夏は冷たい氷入りのお味噌汁(冷汁)を楽しむように、イタリアはで、夏は冷たいカッフェ。暑い夏の朝でも、甘くてちょっぴり苦いグラニータ・ディ・カッフェがあれば、幸せな気分で一日が始められます。物は試し、ぜひチャレンジしてみて下さい!

ワンポイントイタリア語講座

意味:夏のシチリア流朝食と言えば、グラニータ・ディ・カフェの生クリームのせだよね!

本場シチリアでは、生クリームをどっさりのせていただきます。そして、それをブリオッシュ(シチリアでよく食べられるふわふわした甘いパン)につけるのがさらに本場流。午前中のエネルギー注入&テンションアップの朝食スタイルです。