イタリア 万歳

クーラーなしでも涼しい夏
暑い夏を乗り切るイタリアの習慣?

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日本でも大きく報道されたので、ご存知の方も多いと思いますが、イタリアでは、6月12・13日にReferendum(レフェレンドゥム)=国民投票が行われ、イタリアは国として「脱原発」の姿勢を取ることが決定しました。

実はイタリアは、慢性的な電力不足の問題を抱えている国。それでも、「今さら危険な原発を再開して解決するより(しかも現実的に解決するかどうかは不明)、不足してる方がいい(もしくは、まし)!」と答えた人が、投票者の中に90%以上もいた…のが、この結果の見方の醍醐味でしょうか。

現在、総電力量の約10%をお隣のフランスやスイスからの輸入に頼っています。そのため、日本の電気料金と比べても破格に高い!その上、供給が不安定でしばしば停電も起こります。結構不便なんですよね~イタリアの電気生活。日本の計画停電のように事前にお知らせがあり、挙句、停電しなかった…なんて夢のような話…。

さて、そんな電気不足&電気料金割高のイタリアですが、何か普段の暮らしで大きく困っているか?と言えば、そうでもないのがミソ。慣れとは恐ろしいものです・笑。

軽~く40度を超えることもある夏のイタリア。ところが、あまりクーラーの出番がありません。我が家も使用するのは夏の間の数日。節電のため…というよりも、あまり必要に迫られないから。昔からの習慣と工夫が電気を使わない暮らしを助けています。

イタリア的夏の過ごし方1.家に太陽光を入れない。

お日さまポカポカ~と楽しむのは冬のこと。ギラギラに夏の暑い太陽はできるだけ避けるのが鉄則です。特に11時~14時の最も暑い時間帯は窓を閉め、日当たりのいい窓は、なんと…雨戸も閉めます。夜間&朝に冷えた屋内の空気を、わざわざ温めてどうする?!といったところ。おかげで夏の昼間は、家の中は真っ暗!ですが、薄暗い方がなんとな~く涼しい感じもするので、意外に効果的。

イタリア的夏の過ごし方その2.昼は内、夜は外

外が最高潮に暑くなるお昼頃~16時の外出はできるだけ控えます。熱中症になる危険も高いから、この時間帯は暗い家の中でひっそり過ごす方がむしろ健康的。そして夕方…涼しい風が吹いてきたら、活動再開です。真夏の夕食の後は、「夕涼み」ならぬ「夜涼み」。家の中が夜気で冷えるまで、外でジェラートを食べたり、散歩したり。子供たちが真夜中の公園で遊ぶ姿も見られます。熱中症より夜更かしの方が、危険は少ないかもしれません?

イタリア的夏の過ごし方その3.暑いときは冷たいものを!

イタリア的夏の過ごし方その3.暑いときは冷たいものを!暑いときに熱いものやスパイシーな料理を食べて汗をかく習慣は…基本的にありません。シンプルに冷たいものでクールダウン。ジェラートももちろんですが、普段の食事でも、身体が熱くなるお肉や熱々のシチュー的な料理は避けます。夏場は赤ワインもあまり飲まなくなり、冷やしたスプマンテや白ワインの登場回数が増加。夏は夏らしく…涼しげなものが身体にも無理がないといった考え方です。

ワンポイントイタリア語講座

意味: 冷房消そうよ!

クーラー・冷房はl’ariacondizionata。「消して」の命令形は「spegni」(スペンニ) 。同意を求めるような言い方の場合、1人称単数を用いて「let’s」(~しよう)と持ちかけるのが関係を円滑に保つコツ(?)