イタリア 万歳

知っているようで知らないオリーブオイルの魅力。
まずは香りでそして舌で、イタリアの大地の恵みを味わいます。
(text & photo by 岩田砂和子)

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オリーブオイルと一口に言っても産地や収穫時期によって味がまったく異なります。例えば、トスカーナ地方やウンブリア地方で枝をしごいて若摘みしたオイルはフレッシュで舌をピリピリと刺激するスパイシーな風味。南イタリアで十分に熟してから木の下に網を張って落下させて収穫したオイルは、マイルドな深い味わいといった具合。そのため、イタリアの家庭では必ず数種類を揃え、料理に合わせて変えて楽しんでいます。

また、フラントイオと呼ばれるオイル生産搾油場によっても味とクオリティは左右されるもの。秋から冬にかけての出荷時期には、ワイン同様に試飲会も開かれ、各フラントイオ自慢のオイルの味比べ大会も行われます。

試飲会?そう、試飲会。

舌先で味を見て、香りを鼻で確かめ、そして飲み込んでのど越し(特に辛味を感じるために)を試します。方法はいろいろあります(※)が、私が最も感動したのは、陶器のカップを使った方法でした。少量のオイルを注いだカップの口を手で押さえ、もう片方の手でカップを温め、まずは、手の隙間から立ち上がる芳しい香りを堪能。まるで日本の「香道」を髣髴とさせるようなそのやり方に、どれだけ香りが重要なのかが伺えました。そして、一口含んで舌の上を転がし…。油をそのまま飲むなんて!と思うかもしれませんが、何百年も歴史を積んだ名門フラントイオが丁寧に作るオリーブオイルは、ワインのように酔いしれることさえできる一つの作品なのです。 ※国際オリーブオイル協会では、青色のガラス器を使います。 オリーブオイルと一口に言っても産地や収穫時期によって味がまったく異なります。例えば、トスカーナ地方やウンブリア地方で枝をしごいて若摘みしたオイルはフレッシュで舌をピリピリと刺激するスパイシーな風味。南イタリアで十分に熟してから木の下に網を張って落下させて収穫したオイルは、マイルドな深い味わいといった具合。そのため、イタリアの家庭では必ず数種類を揃え、料理に合わせて変えて楽しんでいます。

また、フラントイオと呼ばれるオイル生産搾油場によっても味とクオリティは左右されるもの。秋から冬にかけての出荷時期には、ワイン同様に試飲会も開かれ、各フラントイオ自慢のオイルの味比べ大会も行われます。

試飲会?そう、試飲会。

舌先で味を見て、香りを鼻で確かめ、そして飲み込んでのど越し(特に辛味を感じるために)を試します。方法はいろいろあります(※)が、私が最も感動したのは、陶器のカップを使った方法でした。少量のオイルを注いだカップの口を手で押さえ、もう片方の手でカップを温め、まずは、手の隙間から立ち上がる芳しい香りを堪能。まるで日本の「香道」を髣髴とさせるようなそのやり方に、どれだけ香りが重要なのかが伺えました。そして、一口含んで舌の上を転がし…。油をそのまま飲むなんて!と思うかもしれませんが、何百年も歴史を積んだ名門フラントイオが丁寧に作るオリーブオイルは、ワインのように酔いしれることさえできる一つの作品なのです。 ※国際オリーブオイル協会では、青色のガラス器を使います。

イタリアでは、単なる炒め油や揚げ油といった調理材料というより、料理の味の決め手となる調味料として扱われるオリーブオイル。非常に酸化しやすく、高熱を加えたり、光を当てると簡単にその魅惑の香りが失われてしまいます。加熱する場合は弱火が鉄則だし、開封後は2~3ヶ月で使いきり、冷暗所、もしくはボトルにアルミホイルを撒いて保存するなど気を使わねばなりません。グレードの高い新鮮なオリーブオイルなら、生のままいただくのが最適です。

サラダのドレッシングとしてはもちろん、グリルした肉や魚に一筋かけたり、焼いたパンにたらしたりするだけで、料理全体のハーモニーを完成させる優秀な調味料オリーブオイル。なんにでもかけられますが、モッツァレッラチーズにもたっぷりかけるとより美味しい!ツウなイタリア人は、染み出すミルクとオイルが混ざったところをパンにつけて食べるのがたまらん!なんて言うことも。うなぎのたれがかかったご飯が美味しい!といった発想とちょっと似てなくもないな。などと思いつつ、私もたっぷり浸して食べるのが好きです。

絞っただけのオリーブオイル「エクストラ・バージン」は、まさに「天然100%オリーブ・ジュース」。新鮮なものは油っこさがなく、苦味やフルーツ感といった芳醇な風味があります。「オリーブオイルが油っこい」と感じている人は、使い方や保存方法を間違えているか、本当に美味しいオリーブオイルにまだ出会ってない可能性が大。新鮮でクオリティの高いオリーブオイルなら、口に入れた瞬間、イタリアの美しい緑の田園風景が脳裏に浮かんでくるはずですから。

ワンポイントイタリア語講座

意味:オリーブオイル、ちょっとかける?

EX: イタリアの食卓でよく聞かれるフレーズ。テーブルにオリーブオイルのボトルを置いて、お好みで料理に加えます。答えは、「Certo! Grazie.」(チェルト!グラッツェ) 「もちろん!ありがとう。」ですよね。