イタリア 万歳

プレゼントに使えるお金は減っても
アモーレは減らない!
(text & photo by 岩田砂和子)

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クリスマスツリーを飾る日である12月8日のインマコラータ・コンチェツィオーネ(「聖母受胎」)の祝日を終えると、イタリアの街はクリスマスムードが一気に高まります。イルミネーションや巨大ツリーが輝く街は、クリスマス商戦で大賑わい。プレゼントを買う人々のお財布の紐も緩みがち…な時期ではありますが、今年は一味様子が違います。不況の波は陽気な地中海の国イタリアも直撃しているようで、新聞の発表によると、「イタリア人全体が2008年のクリスマスのために使うお金は10億ユーロ(約1200億円)の減少が見込まれる」とのこと。

「Tredicesimoトレディチェージモ」(13ヶ月目のお給料の意味)と呼ばれるいわゆるイタリアのボーナスは、 ほとんどクリスマス準備のために存在するものですが、今年はどうやらローンの支払いや生活費の心配のために、 思い切ってお財布の紐を緩められないというのが現状のようです。しかし、だからと言って「クリスマスプレゼントはなし」はあり得ません。 「何をプレゼントするか?」の質問には、48%の人が洋服、26%が食べ物やワイン、17%が本、16%がおもちゃ。 旅行は9%、ジュエリーなどの貴金属に至っては2%のみ。「普段も使えるもの」が上位を占めました。 購入場所も「青空市場」が昨年と比べて15%から21%に増加した一方、デパートなどが50%から45%に減少。 工夫や節約をしながら、子供たちや家族、親戚や友達、そして自分へのプレゼントを選んでいます。

我が家のご近所に住むバールのオーナーの奥さんは、「使えないものをもらっても無駄だから、夫からの私へのプレゼントは私が買ったわ。 彼にはラッピングしたプレゼントとカードを渡して、これに愛情たっぷりのメッセージを書いて渡してね。って注文したのよ。」 と言っていました。こんな工夫もある意味、時間とお金の節約になりますよね(笑)。

たとえプレゼントに使える金額が減少 しても、減らないもの…それは、アモーレ 。イタリアでは、年賀状を贈るように、クリスマスにメッセージを贈る習慣がありますが、身近な人に贈るメッセージは、 アモーレで一杯。プレゼントに時間とお金をかけられなければ、そこは、たっぷりのアモーレでカバー。が、イタリア流です。

In questa notte illuminata dalla luce di Gesu’, apriamo I nostri cuori e auguriamoci con Amore, Buon Natale.

キリストの神々しい光り輝くこの夜に、私たちの心を解き放ち、愛と共に祝いましょう。メリークリスマス。

Non riesco ad immaginare un Natale senza un augurio con moltissimi abbracci alla persona piu cara…tu!!!

一番大切な人を思い切り抱きしめて祝えないクリスマスなんてあり得ないよね。その相手はもちろんキミだよ!

l’amore e l’amicizia sono la ricchezza da condividere con tutti e soprattutto con le persone piu speciali come te.. Tanti auguri dal mio cuore!

愛情と友情は、皆で分かち合うべき大切なもの。特にアナタのような特別な人と共に分かち合いたい。 心からクリスマスの祝福を!

Per te che sei sempre mei miei pensieri…tanti auguri.

いつも僕の心にいる君に…メリークリスマス。

イタリア人って詩人ですよね。 日本語ではちょっぴり恥ずかしい言葉もイタリア語なら恥ずかしくない?!イタリア流メッセージで、 愛情を家族や恋人のプレゼントに添えてみてはいかがでしょう?

ワンポイントイタリア語講座

意味: メリークリスマス!

友達や知人に贈るなら、こんなシンプルな定番フレーズで。Augurioは日本語言うならば「祝」の意味。 Natalナターレはクリスマスのことです。