イタリア 万歳

イタリア人の美意識の高さは、キッチンのピカピカ具合で納得。
今年の運気アップの秘訣をキッチン自慢のイタリア家庭から学ぶ!?
(text & photo by 岩田砂和子)

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イタリアの家庭にお邪魔して驚くことのひとつ、それは、いつでも家中がピッカピカいうこと。特に、キッチンのピカピカ具合は半端ではありません。家の中で最も汚れやすい場所だけに「キッチンに入られたら困るわ~」という人は見かけますが、イタリアでは「私の自慢のキッチンを見て頂戴!」と言う人の方が多いくらい。

ゴミ箱がシンク下に隠されていたり、冷蔵庫もキッチンと同素材&デザインの家具の中に納まっていたりと、生活感が出ないように工夫された設計は元より、コンロ回りにいかにも汚れがつきやすそうなガラスや陶器の調味料入れが並んでいたり、油が飛び散るであろうはずのガス台上に白いレースのカーテンがかかっていたり。キッチンにおいては掃除しにくそうなものは排除すべしがスタンダードの日本のスタイルからは、ちょっと想像しにくい勇気と決断が必要なコーディネートがされたキッチンはとっても美しい。しかも、それがいつもピカピカなんだから、キレイね~と関心するのと同時につい「掃除はどうしてるの?」と野暮な質問をしたくなるのが人情です。

日本のテレビ通販で、「たまった油汚れもひとふきで、ホラ!こんなにピカピカ!」「おお~」などというものがありますが、イタリアでは売れないと思う。だって、汚れが「たまらない」んだもの。今年の汚れは今年のうちに、なんてイタリア人にとってみたら「はぁ?」ってなもんでしょう。今日の汚れは今日のうちに。なのでありますから。イタリアの家庭では、夕食の食器洗いのついでにキッチンも掃除してしまいます。コンロに飛び散った油やトマトの汚れもスポンジで洗って、シンクについた水しぶきまでキッチリ拭き取って。寝る前のキッチンはピッカピカなのです。イタリア人男性と結婚したある日本人女性が、「毎晩、キッチンの掃除なのよ。放っておくと「マンマはこうじゃなかった」って言われるんだもん。」と嘆いていましたが、数ヶ月経つうち、超高速で食器洗いとキッチン掃除を同時にこなすコツを習得し、今では毎朝、美しい自慢のキッチンに立っています。習慣にしてしまえば、それほど苦ではなくなるもの。むしろ、汚れたキッチンなど許せなくなってきます。

汚れたら捨てましょう的コンロ上の銀色のカバーや、どうせ汚れるからいいや的無味乾燥なプラスチック小物などは、キッチン自慢のイタリア家庭ではお目にかかったことはありません。理由は簡単。「だって、美しくないから。」汚れることを前提にしたキッチンと美しさを追求するキッチンでは、掃除への意気込みも変わるわけです。年末の大掃除が終わり、ピカピカのお家で向かえた新年(間に合わなかった人もいるかもしれませんが)。一日5分追加するだけで、毎日キレイなキッチンに立てるのは、ステキなことです。今年はピカピカを保ってみてはいかがでしょう?美しいキッチンは、料理する意欲も湧いて健康増進、家庭円満、縁結びの効果がありますから(多分)!

ワンポイントイタリア語講座

意味:キッチン、料理など

EX; Guarda, la mia bella cucina! (グアルダ、ラ・ミア・ベッラ・クチーナ) 「私の美しいキッチンを見て!」な~んて、言えるようになったらいいですよね。